英文解釈の技術100の問題10,11,12について、提出いただいた和訳を添削し、解説します!
添削方法
答案例の和訳に対し、以下のルールで色をつけて添削します
- 赤色文字:致命的な間違い(文構造の取り違いなど)
- 青色文字:単語レベルの間違い(知らない単語の訳しミスなど)
- 緑色文字:間違いとまでは言わないが少し変な訳
問題10
添削前
添削結果&解説
わたしは実際1あやまったことをした2くなかったが、彼や私の友人3を失うことを恐れていたのだ。
1について
確かにreallyには「実際」の意味がありますが、この会話風口調の英文では、明らかにdidn't want toを強調するのに使われていますよね
なので強調が伝わりやすい「本当に」の訳の方が適切です
2について
do something wrongを「あやまったことをする」と訳すのは言いたいことはわかりますが少し不自然な日本語ですね
「悪いことをする」や「悪さをする」など、自然な日本語で表現しましょう
3について
my friend「私の友人」は正しいですが、訳のはじめに「わたしは」と述べていることから、単に「友人」と言ってあげるだけで十分ですし、そのほうが自然かと思います
添削後
わたしは本当に悪さをしたくなかったが、彼や友人を失うことを恐れていたのだ。
問題11
添削前
添削結果&解説
誕生日会や、素晴らしい風景、家族とのお出かけを写真におさめるために時々カメラを使う人は大切にしたい瞬間の2.3枚の写真を撮り、ひたすらその結果を待ち1、それから2、頻繁ではないが3、出た結果4に落胆することであろう。
1について
ただの「待つ」でも良いですが、ここではeagerly「ひたすら」に写真が出来あがるのを待つので、「心待ちにする」などのプラスの意味をつけるとより良いと思います
2について
thenは確かに「それから」ですが、ここでは前文と逆接的に繋がるので、「結局」くらいにしておく方が自然かと思います
3について
often as notは「しばしば」の意味です
元々はas often as notで直訳が「〜でない時と同じかそれ以上頻繁に〜」となることから、頻度が少なくとも50パーセントほどの時に用います
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「頻繁ではないが」とすると、「わざわざ何で言ったんだ!?」状態になり、文脈的に不自然だと気づけると良かったですね!
4について
「結果」の訳が2回出てきているので、ここでは少し変化を加えて「出来上がり」や「成果」などとすると、繰り返しが防げ、より自然な和訳になると思います
添削後
誕生日会や、素晴らしい風景、家族とのお出かけを写真におさめるために時々カメラを使う人は、大切にしたい瞬間の2.3枚の写真を撮り、ひたすらその結果を心待ちにし、結局、その出来上がりにしばしば落胆することであろう。
問題12
添削前
添削結果&解説
それ故、私達は競争を廃止しようとするべきではなく1、競争は危なすぎることはない2形態をとるということを人間に示し3さえすれば良い1のだ。
1について
shouldはnot attempt to〜だけでなく、but以下のonly to see to it 〜にもかかっていると考えた方が自然です
もしbutまででとめる場合、only to Vを見てto不定詞の結果用法と捉えて「〜するべきでないが、結局...するだけだ」となりますが、それよりも「〜するのではなく、...のみすべきだ」の方が、筆者の主張が伝わる自然な文になります
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またnot A but B「AではなくBだ」においてはAとBには同質の語がくる(単語と単語や節と節など)ので、not attempt to ablolish 〜 but (attempt) only to see to it ...のようにbutのすぐ後にattemptを補うと良いでしょう
2について
injuriousは「有害な」の意味の形容詞です
知らないなりに「危ない」と訳すのは想像を働かせることが出来ていて、良かったですが、takes forms which are not too injurious「危なすぎることはない形態を取る」は少し不自然ですよね
「危なくなりすぎない形態を取る」のように、周辺語とのつながりを意識した訳が出来るように意識しましょう
3について
see (to it) that SVは「SVするように取り計らう」です
that 節内は未来のことでも現在形で表します
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see (to it) that SVのitはthat 節以下を表すので直訳は「(必ず)SVするように見ておく」くらいでしょうか
典型表現で覚えていないと厳しい部分もあるので、しっかりと暗記しておきましょう!
添削後
それゆえに私達は競争を廃止しようとするのではなく、競争が危なくなりすぎない形態をとるよう取り計らうことに力を注ぐべきだ。
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